ある住宅地でおきた一家惨殺事件。ルポライターが被害者の関係者にインタビューする形式で話が進みます。近所に住むおばさんに始まり、会社の同僚、大学の同級生などなど。一応最後に犯人が提示されて、事件は一件落着するのですが、どうにも読後感が悪い。というのも、この関係者へのインタビューの中に、人間の嫌な部分が見え隠れするから。
「基本的に良い人だったんですけど、実はこんな悪いエピソードもありました」という風に語られる証言からは、語られる被害者の人柄よりも、証言する人の人間の小ささが伝わってきました。
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/04/05
- メディア: 文庫
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