[リミット]

超映画評で98点という高評価を受けていて、しかも「男が目を覚ますと、なぜか棺桶の中に閉じ込められ、土の中に埋められていた!なぜか手にしていた携帯電話を頼りに、必死の脱出劇が始まる!」みたいな内容だったので、これはもう見るしかないと勢い込んで劇場へ足を運んできました。
で、どうだったかというと、面白かったですよ、面白かったけど、98点は言い過ぎかなぁ。
脚本がよく練られていて、90分間ほとんど閉じ込められている「男」しか映らず、場所も土に埋められた棺桶の中という、映画史上もっとも制限された登場人物・空間の中で、観客を飽きさせずにぐいぐいと物語が進んでいくのには正直感心しました。でもって、内容も訳の分からない猟奇殺人犯に意味不明に閉じ込められたというわけではなく、ちゃんとそれ相応の理由があって、しかもそれが社会性のある反戦メッセージになっていると。
個人的には「ソウ」的なノリを期待していたので、ちょっとこのギャップが大きすぎて、おもしろかったけど、なんか違うんだよなぁという感想になったのかも。思えばこの日、お昼にマクドナルドを食べようと目的のお店まで行ったら、なんと潰れていて、結局ロッテリアにしてしまったという「まあ美味しいんだけど、期待してたのと違うんだよな」を体験していたのでした。

以下、映画のネタバレを含みます。

密閉空間に閉じ込められて、ただ助けに来るのを待つしかないというのは、これほど恐ろしいものかと思い知らされました。密閉空間と行ってもある程度体を動かすことができ、そこに携帯電話があり、ライターがあるというほんのわずかな「希望」が、その後の「絶望」をより一層引き立たせますね。
終盤の「家族が狙われるかもしれない」という恐怖に掻き立てられ、自らの指を切り落とすあたりも、いろんな意味で「痛かった」です。
最後の、もしかして発見されるんじゃないか?と期待させるくだりも、映画をよく見ている人なら、「この展開は絶対助からない」と分かってしまうだけに、ラストの残酷な一言が発せられるまでの数分間は、本当にいやーな気分にさせられました。
ちょっと消化できてない部分があるので、もう一回くらい見てもいいかなぁと思っています。体調がいい時に。