ハプニング

新作の公開前には「もしかすると今回はおもしろいのでは」と期待を抱かせ、ことごとくその期待は裏切られるのだけれど、なぜか次の作品も気になって見てしまうという意味では、僕の中でM・ナイト・シャマラン監督と北野武監督は同じ位置にいるのかもしれません。
そんなシャマラン監督の最新作「ハプニング」を観ました。

ハプニング (特別編) [DVD]

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僕はどちらかというとシャマラン監督擁護派で、「アンブレイカブル」とか「サイン」とか、世間から期待はずれと言われた初期の作品は、実は結構好きだったりします。「アメコミヒーローもの」や「宇宙人侵略もの」という使い古された設定を、普通の監督とは違う角度から切り取って映画にするというスタイルは好きなのです。ただ、そんな僕でも前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」は、消化不良でした。そして、今作。消化不良どころか、まったく消化できないという事態に陥ってしまいました。どうしたシャマラン!
何らかの原因で、人が次々と自殺していくという設定は悪くないと思うんだけどなぁ。結局「あーなるほど」という納得感のないままに映画が終わってしまうというのがまずいのかなぁ。主人公のマーク・ウォールバーグが、途中立ち寄った家の中で、イミテーションと気づかずに鉢植えに話しかけるというシーンは無駄に緊迫していて面白かったです。

ユージュアル・サスペクツ」を撮ったブライアン・シンガーが「X-MEN」のようなアメコミ大作映画を撮ったように、シャマランも一度思い切って自分のカラーでない作品に挑戦してみてもおもしろいんじゃないかなぁ。