フロスト×ニクソン

人気の英国TV司会者フロストが行った、ウォーターゲート事件で大統領の座を退くことになったニクソンへのテレビインタビュー。4500万人が見たその放送の裏側で一体何が起こっていたのかを映画化した作品です。
汚名にまみれ、史上最低の大統領、国民へ謝罪せよとの世論に対して、自分はもっと素晴らしいことを大統領時代に行っていると主張したいニクソン。一方で、次々と自分が司会のテレビ番組が打ち切りになり、ニクソンへのインタビューが決まったあとも「TVショー司会者風情が何を聞き出せるのか」と揶揄され、自分の地位をなんとか確立したいフロスト。
インタビューは、「どんな質問をされても、いつの間にか自分の大統領時代の与太話・ちょっといいエピソードにすりかえる」ニクソンと、「なんとかニクソンのクチから『大統領時代に不正に手を染めた。申し訳ないことをした』という言葉を引き出したい」フロストとの駆け引きですすみます。といっても、ニクソンは大統領にまで上り詰めた政治家であり、フロストよりも役者が上。インタビューはニクソンの圧勝ムードで進むのですが…。
この映画の「フロストはニクソンの表情のクローズアップを捉えることに成功した」という締めくくり。どんなに雄弁な言葉よりも、テレビの世界では一瞬の表情で色々なものが伝わってしまいます。
連日のテレビ報道で、特定の政党の支持率が上がったり、下がったり、首相が変わることになったり。テレビ報道が世論を動かしているというのは、昔から、そして日本でもアメリカでも変わらないんだなと思いました。
話は代わりますが、この映画の監督はロン・ハワードだったんですね。「ダ・ヴィンチ・コード」と「天使と悪魔」の間に作られた映画のようで。意外だったのでちょっと驚きでした。

フロスト×ニクソン 【VALUE PRICE 1800円】 [DVD]

フロスト×ニクソン 【VALUE PRICE 1800円】 [DVD]