インセプション

メメント」はもちろんのこと「プレステージ」や「ダークナイト」のときも思ったけど、監督クリストファー・ノーランは、映像だけじゃなくて脚本を仕上げる能力が天下一品だということを改めて納得できた傑作でした。
映画の予告編では、街がぐわーって折り曲げられるとか、カフェに座っていると街のものがパンパン破裂しまくるとか、部屋の中で人がふわふわ浮いているとか、新感覚の映像をプッシュしているけれど、そういう映像よりも僕は練り上げられた脚本に唸らされました(もちろん映像も良かったけど)。
ターゲットを夢のなかに誘い込み、巧みにターゲットから情報を抜き取る仕事をしているコブ(ディカプリオ)。夢の中で情報を抜き取る、というだけでも充分に面白そうな設定なのに、ノーランはここにいくつもの仕掛けをほどこしていきます。情報を抜き取るのではなく植えつける(インセプション)ことだったり、夢のなかで夢を見させることだったり。一歩間違えば、難解でワケが分からなくなりそうな物語を、アクション込みのエンターテインメントに仕上げてるのが秀逸でした。
個人的な盛り上がりどころは、重力が上下左右、最終的に無重力になるホテルの中での格闘シーン。ディカプリオの片腕役のジョゼフ・ゴードン=レヴィットがいい仕事してました。

Inception

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