臨店指導の担当となった花咲舞が、銀行の様々な支店を訪れ、問題を解決するという短篇連作。
立場の弱い女性行員が、銀行の常識(つまり世界の非常識)に対してたんかを切っていく様子は、読んでスカっとします。
特に良かったのが、「腐魚」というエピソード。
ちゃらちゃらした大手百貨店の御曹司が銀行の融資係で働いているのですが、適当な仕事ぶりのおかげで、ある会社が倒産しかけてしまいます。御曹司だからと周りからちやほやされてきた男が、とある融資の取扱いについて上司から厳しく叱責される姿には、溜飲が下がりました。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/11
- メディア: 文庫
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ちなみに臨店とは、問題の多い店舗に出向き、業務内容を調査して指導すること。訪問される店舗からすると、けむたい存在らしいです。