コンテイジョン


未知の感染症が世界規模で流行する過程を描いたディザスター映画。監督は「オーシャンズ11」のスティーブン・ソダーバーグで、らしさ全開のテンポの良い作品に仕上がっていました。感染症の恐怖を描いた作品で、見ているとじわじわと怖くなって、劇場という密閉された空間の中にいるのが息苦しくなるくらいでした。見終わった後、街中を歩いていて、自分の近くで咳払いする人がいたら、つい気にしてしまうほどでした。うがい手洗いはしっかりしないといけませんね。
感染症についての話でしたが、3.11後の放射能の件と重なる部分も多く、考えさせられました。映画の中では、感染症が爆発的に広まりはじめ、ネットで予防に効果があると噂されている薬を奪い合ったり、保存食や水をめぐって暴動が起きたりします。現実社会では、震災直後にスーパーやコンビニから水や保存食が買い占めされたり、放射能に効果があるとしてヨウ素が取り上げられたりしました。さすがに暴動までは起きませんでしたが、あのときの街の雰囲気の異常さは今でも覚えています。恐怖の対象そのものは、もちろん恐ろしいのですが、それ以上に、色々と想像・空想を巡らせた市民が、パニックに陥ることの方がよほど恐ろしいです。
映画『コンテイジョン』公式サイト
個人的には、ローレンス・フィッシュバーン演じるアメリカ疾病予防管理センターの責任者チーヴァーの行動には、どうにも納得がいきませんでした。いや、それまずいでしょという行動を少なくとも2回は取っていて、責任者としてはいささか無責任すぎるなぁと。美談とうけとる人も多そうですが、あれはやっちゃいかんことだと思います。