宮部みゆきさんの現代ミステリ最新作「ソロモンの偽証」の第1部を読みました。分厚いです。
ひとりの少年が学校の屋上から転落死した事件をめぐり、生徒や教員、父母の間で色々なものがうごめきはじめます。
大津でいじめによる自殺する事件がありましたが、この本でも中学生のいじめネタを扱っています。
学校や先生を屁とも思わないモンスターペアレント、悪いことを悪いと自覚しながら立ち振る舞う不良や、悪いことを悪いと自覚しない鬱屈した生徒などなど、身勝手すぎて気持ち悪いと思わせつつも、それらのキャラクターが虚構の世界の人物ではなく、自分の身近にいるのではないかとヒヤリとさせるリアリティがあってドキドキしました。
読み進める中で「うわ気持ち悪っ」と思わず口に出してしまったシーンが3箇所ありました。
どのシーンも、明らかに悪い行いをしているのに、自分の行動を自分自身で正当化してしまっているために、悪いことだと気が付かない人のシーンで、当たり前の話が通じない怖さに、背筋がゾクゾクしました。
第1部 事件は、まだ物語の入り口。これから「第2部 決意」「第3部 法廷」と同等のボリュームが続きます。続きが楽しみです。

- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/08/23
- メディア: 単行本
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