LOOPER/ルーパー

誰かがサンプリング映画って書いてましたが、まさしくそんな感じでした。

以下、ネタバレ含みます。

未来では殺人が難しくなっていて(すぐ足がつく)、使用が禁止されているタイムマシンで殺したい人間を過去へ送り込み、転送が終わった瞬間にそこに待ち構えている処刑人(ルーパー)に殺されるという設定。この設定だけでご飯茶碗3杯いけます。殺しの報酬は相手の身体に巻き付けられている「銀」であるとか、最終的に未来の自分が送られてきてそいつを殺したらルーパーとしての仕事が終わるとか、序盤の世界観が解説されているシーケンスがすごく良くて、ぐいぐいと引き込まれました。中盤ちょっとだれるところがあれますが、それを差し引いてもこれまでに見たことがない感じの映画でした。

「キャリー」に「オーメン」に「ターミネーター」にと意図的に色々な映画のエッセンスが取り込まれていますが、それによって観客に既視感をあたえつつ、最後の意外なオチ(主人公の選択)をより際立たせていたように思います。

ただ1点、よく分からなかったのが、未来の世界でジョーの奥さんが銃で殺されたところ。未来の世界では殺人はだめなんじゃなかったっけ。あんなに簡単に殺せるんなら、ジョーもわざわざ過去に送り込まなくてもいいんじゃないの? この疑問だれか解説してくれないかしら。

あと、ジョセフ・ゴードン・レヴィットがブルース・ウィリスに似せるために、微妙な特殊メイクをしていて、まあ分からなくもないんですけど、どう考えても無理ありますよ。そこは「同一自分って体でよろしく」で逃げても良かったんじゃないかなと思ったり。二人が似てることはそんなに重要じゃないと思うんだけどどうなんだろう。