中学生円山

WOWOWで鑑賞。クドカンの劇場映画3作目です。

中学生円山 ブルーレイデラックス・エディション [Blu-ray]

円山克也は団地に住む平凡な中学2年生。彼は「あるエッチな目標」を達成するために柔軟体操をして体を柔らかくしようとしている。そんなある日、克也の団地に謎のシングルファーザー(下井辰夫)が引っ越してくる。

中学生円山 - Wikipedia

あらすじには「あるエッチな目標」とぼかして書いてますが、「自分のちんちんを自分で舐めること」です。この目的のために、毎日自主トレと称して柔軟体操、レスリング部の練習に励みます。あほくさい。あほくさいんだけど、円山くんの気持ちがわかる男性は多いはず。主人公の円山を演じた平岡拓真くんの好演が光っていました。

円山くんほどではないけれど、僕も思春期には妄想癖があって、ありもしないことを色々と考えていた時期がありました。川べりで骨(今思うとたぶんチキンの骨)を見つけては、誰かが殺された骨なんじゃないかと妄想したり、お風呂で頭を洗っているとき、風呂場の床に滴る血を見て天井に死体があるんじゃないかとびくびくしたり(実際は自分の鼻血)。そんな妄想も年をとるにつれなくなってきました。いわゆる「社会の常識」というものにいつの間にか慣らされてきたのだと思います。草薙くん演じる下井が言い放つ名言「妄想が現実を超えたとき、それは真実になる」が心に沁みます。常識を疑い、自分の直感、感覚を信じる。昔できていたことが、いつの間にかできなくなっている。おとなになる代償なのかもしれないけど、淋しいことです。

映画のトーンはクドカンの世界観全開で面白かったです。役者陣はみなさん良い味出されてましたが、お父さん役の仲村トオルさんのはっちゃけっぷりが大変良かったです。