あたしのいもうとちゃん

次男が保育園から借りてきた絵本の内容が衝撃的でした。
本のタイトルは「あたしのいもうとちゃん」。

あたしのいもうとちゃん

あたしのいもうとちゃん


タイトルに反して、本の表紙は女の子とおばあちゃん。何か違和感を感じながらもページをめくりました。

あたしが、いま いちばん ほしいものは、いもうとだ

ああ、なるほど、女の子がじぶんのいもうとを欲しがる話なのね。その予想通り、女の子は母親にいもうとを産んでとおねだりします。
すると、「おばあちゃんもいもうととはんぶんこよ」と切り返す母親。

それは こまる。
おばあちゃんは、いつだって、どんな ときだって、あたしの みかただ。

女の子はおばあちゃんが大好きなようです。なるほど、いもうとがいるけど、おばあちゃんの方が好きだからいもうとはいらないよ、みたいな展開かなと思っていると、

おばあちゃんが、にゅういんしたって。
かいだんから おちて、しゅじゅつしなければ いけないって。

おばあちゃんがまさかの手術。
手術が成功して、女の子がお見舞いに行くと、

いつもの おばあちゃんと どこか ちがう。
「おばあちゃんは、しゅじゅつが たいへんだったからね。」
でも、ちがう。そうじゃ ない。
あたしの すきな おばあちゃんじゃあ ない。

それから、あたしは いちども びょういんへ いかなかった。

「あたしの すきな おばあちゃんじゃあ ない」って、何々、どういうこと? 入院中のおばあちゃんに一体何が?

その後、退院して家に帰ってきたおばあちゃん。いつもどおりの生活にもどれるかと思いきや、退院した翌日からおかしな行動を取り始めます。

「いえね、そろそろ おいとましようと おもいましてね。
いろいろ おせわに なりました。
うちの ものも しんぱいしてますやろし。」

「おや、どこの おじょうちゃんで?」

ある あめのひ、おばあちゃんが どこかへ いってしまった。
おとうさんと おかあさんは、こうえんや えきへ さがしに いった。

おばあちゃん、ぼけてるよ!
何この重い展開!
その後、家族会議が開かれますが、お父さんが「どんなことがあっても、おばあちゃんはおばあちゃんだ」的な毅然とした態度を示します。
そんなある日、女の子がおばあちゃんの部屋をのぞいてみると、

そっと のぞくと、あたしを みて うれしそうに いった。
「おや、おねえちゃん。」

なんとおばあちゃん、なくなった自分のおねえさんと女の子を勘違いしはじめたようです。
なるほど、これで「あたしのいもうとちゃん」というタイトルにつながりました。
それからは、女の子がおばあちゃんのお姉さんとして接するようになって、平穏な生活が続きそうな余韻を残して、物語は終わります。

保育園や幼稚園に通う子供たちは、イベントなどで高齢の方と接する機会が意外と多いので、こういう内容の絵本を読んで、知識をつけておいた方が良いんでしょうかね。