バイロケーション / 法条 遥

水川あさみさん主演で映画化されるということで、Kindleで原作を読んでみました。

バイロケーション(英: Bilocation)とは、超常現象の一つで、同一の人間が同時に複数の場所で目撃される現象、またはその現象を自ら発現させる能力を指す。「一身二ヶ所存在」と表現されることもある。

バイロケーション - Wikipedia

バイロケーションって聞きなれないですが、ドッペルゲンガーのようなものですね。ドッペルゲンガーと違う点は、任意のタイミングで発現する、自分とまったく同じ個体である点。自分とまったく同じ個体なので、バイロケーション自身が自分のことを「本人」と思ってしまい、本人のように振る舞ってしまう結果、実生活が混乱してしまいます。本人の記憶は、バイロケーションへと伝わるけれど、バイロケーションの行動した記憶はオリジナルの人には戻らないので、例えば医師のバイロケーションが勝手に患者を診察してしまい、オリジナルの人は自分の記憶にない患者がいつのまにかたくさんいるという状況ができてしまうわけです。

こんなバイロケーションの被害を受けている人が集まって、知恵を絞って何とかしようとするんだけど、事態はどんどん悪い方へと転がっていくという話でした。最後のオチも、なんか救いがない感じで辛かった。まあ「ホラー文庫」だからなんとなく後味悪いのは予想していたけどなぁ。

バイロケーション (角川ホラー文庫)

バイロケーション (角川ホラー文庫)