殺し屋が翻弄されるサスペンス作品『ザ・キラー』

Podcastでも話してるけど、Netflixの「ザ・キラー」が面白かった。

久しぶりのフィンチャー作品。「マンク」もあったけど、フィンチャーの代名詞?であるところのサスペンス的な展開のある映画ではなかったからな。その前の「ゴーン・ガール」からすると9年ぶりなのか。寡作の監督ではあると思っていたけど、もう少し頑張ってほしいな。最近はコロナや配信の普及での劇場離れとかあって劇場向けの作品を撮るモチベーショが下がってそうではある。

「ザ・キラー」は、凄腕の殺し屋が冒頭に仕事をミスってしまい(殺さなければいけない相手を殺さなかった)、そのせいで逆に組織から狙われてしまうというストーリー。その状況から回避するために組織に楯突いて、組織の元締めや自分を狙う殺し屋を逆に襲撃していくという展開は、まあこれ系の話にはよくあるものではある。話にあまりひねりがない分、演出、映像の作り方の上手さ、丁寧さが際立つ。マイケル・ファスベンダーが醸し出す殺し屋の雰囲気も良かった。それっぽい雰囲気を出しつつ単純なミスでピンチに陥るお茶目さもあった。