イーストウッド監督が、2009年1月に起きた「USエアウェイズ1549便不時着水事故」をテーマに、トム・ハンクス主演で映画化した作品です。
件の事故、フライト中に故障が発生して着水した、くらいの曖昧な知識しかなかったんですが、映画を見て、その後Wikipediaの記載を読んで、情報が補完され助かったのが奇跡だったんだなと思えました。
USエアウェイズ1549便不時着水事故 - Wikipedia
事故について私が知らなかったことで、かつ事故の奇跡度が高まる真実は以下の通り。
- バードストライクによるエンジントラブルで推力が失われたのは離陸後すぐだった
- 空港の近くには大都市があるし、他空港に行くには高度が圧倒的に足りない
- 事故発生から、着水までわずか208秒
- 航空機の着水による生存率は低い
- うまく着水しないと機体損壊
- 着水後も速やかに機外に避難しないと水没してしまう
- 事故が発生したのは真冬
事故発生時に、緊急対応マニュアルを頭から順に追っていったら対処が間に合わないと直感的に判断した機長が、副機長と相談しながら、神業テクニックでハドソン川に着水。近くにいたフェリーの手助けもあり、被害者をひとりも出すことなく事故を乗り切ります。が、あまりにヒロイックな行動に報道が過熱。ひとりの人間として、機長のバランスが危うくなったりするところは、とてもリアルでした。
また、安全委員会から、バードストライク発生後すぐに空港に引き返していたら危険を冒さずに着陸できたのでは?という追求に戦っていくところもかっこいいです。
人生には後戻りのできない判断ポイントがいくつもあって、瞬時にそこを判断して行動していかなければなりません。判断が合っていたのか、間違っていたのか。後からじっくり検証することはできるかもしれませんが、実際に判断ができる時間はわずかしかないのです。
自分の人生や仕事でも、判断の瞬間は逃さないようにしなければと思いました。また、逆に、判断に時間がかけられるときは、しっかりと熟考を重ねることもまた大切であることを感じさせられました。
そういえば、飛行機事故映画と言えば、日本の「ハッピー・フライト」も忘れてはいけません。
矢口史靖監督の手によって、笑いあり涙ありのお仕事映画になっていますが、ハドソン川の事件がおきる少し前に公開されていたのも何かの因縁ですかね。「ハッピー・フライト」では、同じくバードストライクによって特定の危機が故障してしまい、空港に引き返して着陸するという文字で書いたらそれおもしろいの?という内容ですが、緊急危機にクルーがどのように対処していくのかがよく分かるので、「ハドソン川の奇跡」とセットで見ておくとおもしろいと思います。映画のトーンはだいぶ違いますが。
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