オーグメンテッド・スカイ

読み終えた本と、今日届いた本の記録。

オーグメンテッド・スカイ

2024年の鹿児島の高校を舞台に、高校生たちがVRの世界大会に挑むという話。
帯に書かれた「鹿児島」という地名と「VR世界大会」というワードのギャップ、そしてページをひらいたときに見た鹿児島弁に惹かれて買った一冊です。

作品の中では、VRの大会が2つ登場します。ひとつは日本国内で開催されている高校生を対象とした「VR甲子園」、そしてもうひとつは国という垣根を超え世界規模で開催されている「ビヨンドチャレンジ」。

最初はVR甲子園を目指していた主人公のマモルをはじめとする南郷高校蒼空寮の寮生たちが、ビヨンドチャレンジのことを知り、他校の生徒と触れあうことで、高校という枠を超えた連合チームで世界大会に挑んでいくという青春ストーリー。

そこに、ブロックチェーンや仮想通貨(のマイニング)、DAOにNFTなどいわゆるWeb3系のキーワードが登場してきて、Web3界隈の話題のキャッチアップにもなりました。

今を生きる高校生たちが抱える生々しい悩みや生きづらさ、或いはそういった強いアイデンティティやストーリーがないことの悩みが丁寧に描かれていて良かったです。

「伝統」という名のもとに続く時代に合わない寮の仕組みややり方を、少しずつ変えていこうとするところとか、なんとなく自分のマインドに近いところを感じて共感もできました。

おもしろいなと思いながらも、なんでこれ舞台が鹿児島なんだろうかと、途中で気になったんですが(鹿児島弁も出身でない人には読みづらいですし)、地方の片田舎の高校生の話だからこそ響くところがあることに気づきました。ちょっとメタですが、作中でも強豪ひしめく世界大会に自分たちが出る意味ってなんだろうかと自問し答えを導き出すところに通じるなとも思いました。

この物語の舞台は2024年ですが、私が鹿児島で青春時代を過ごしたの1990年代。当時はまだ携帯電話もネットもまだ始まったばかりでしたし、情報や文化の東京と地方の格差はとても大きかったと思います。それがテクノロジーの進歩で、そのギャップはほとんどなくなり、鹿児島の高校を舞台にした近未来SF小説というものがある種のリアリティをもって成立することに感動しました。

高校生の音楽2

最近の高校生の音楽の教科書はおしゃれだなと、前から気になっていました。
何と言っても表紙が中村佑介さん。アジカンのアルバムジャケットを描かれている方です。
まあそれだけだったら、かっこいいね、くらいの話だったのですが、なんとライブにも行った音楽系YouTuberのドクター・キャピタルが解説を書いているページがあるのを知ってAmazonで購入してみました。

それにしても自分たちが学生だった頃の教科書とは全然違いますね。

ページを開くと見開きでレディー・ガガがババンと載っていて、ボーン・ディス・ウェイの歌詞が書かれています。

続いて中島みゆきさんの「糸」やドリカムの「何度でも」など。もちろん日本や海外の伝統音楽もしっかりと掲載されていて、各ページにQRコードがあり読み込むとピアノ伴奏などを聴くことができるようになっています。時代だ。