向き合うこと

とんでもない事件が起きた日。ですが、それについてはネット上での発言はしないことにしたので書きません(と書くこと自体がそれに触れている気もするけど)。

インプロ

少し前にやおっちから「インプロ(即興演劇)面白いですよ」と教えてもらい、「今度ワークショップあったら一緒に行きましょう」と声をかけてもらっていたところ、ちょうど大阪でワークショップが開催されるということで一緒に行ってきました。

講師は、即興芝居で有名なロクディム共同主催の渡猛さん。やおっちは、過去にオンラインやオフラインでのワークショップに数回参加したことがあるとのことでした。

即興でお芝居を作る、は、大学のときに参加していた劇団の稽古とかでちょっとやったことがあるかなーくらいで、そもそもお芝居をやること自体が20年以上ぶり。できるかなーという気持ち半分、面白そうという気持ち半分でドキドキしながら参加しました。

3時間のワークショップは、前半が連想ゲームや相手の動きを感じながら動くというもので、後半は2人で作る即興劇でした。

連想ゲームは、前の人が言った言葉から連想される言葉を発して、そこから連想される言葉を次の人が言うという言葉つなぎゲーム。言葉を聞いてぱっと思い浮かんだ言葉を言っていくのですが、この日はショッキングな事件があったからか、何度か事件から連想された物騒な言葉がつながるタイミングがありました。いや、事件があったから物騒な言葉と考えてしまったのかも知れません。いずれにせよ、意識の片隅にそれがある感じでした。ただ、私としてはこのまま不穏な言葉になるのではなく、なるべく明るい、楽しい言葉にという気持ちが働いて、「発砲(はっぽう)」と来たときは「ビール(はっぽうを発泡と解釈)」とつなぎ、「銀行強盗」と来たときは「ハリウッド」とつなぎました。ゲームのあとで、振り返りタイムがあり、渡さんが「なんでその言葉をつないだのかというところに、その人の考えや意図、本質がある」というようなことを説明されていて、なるほどそうだよなと腹落ちしました。

その後、休憩を挟んで、二人一組になって短い時間の即興芝居をやるというワークがありました。やってみて、とても楽しく、久しぶりのお芝居の感覚にわくわくしたのですが、振り返ってみると自分はダメダメだったなーという気持ちになりました。なんの設定も伝えあっていないふたりの即興なので、セリフや言い方、身体的な情報から相手が何を言いたいのか、何を意図しているのかを汲み取り、それを受けて自分のセリフにつながるのですが、自分はほんと瞬発力だけで生きてるんだなーというやりとりしか生み出せませんでしたね。あとは、これまでの経験の中でのテンプレート、フォーマットに当てはめて、相手のことをちゃんと受け止めているのか、考えているのかというところがめちゃめちゃ希薄なんじゃないかということを思いました。

これは相手が人間以外でもそうで、ニュースや事件・事故の情報を見ても、自分の中の深いところまで見つめずに、こういう情報にはこういう反応、感想と、決まった感情の引き出ししか開けてないような気がしています。毎回自分の中身を深くまで探るのはしんどいですし、難しくもあるので、これがある意味気楽に生きるための処世術なんでしょうが、果たしてそれで良いんだっけ。そんなことを考えながら、帰りの阪急電車に揺られていました。