友情と嘘:ディア・エヴァン・ハンセンの物語

Podcastに届いたおたよりでおすすめされた映画「ディア・エヴァン・ハンセン」を観た。

元々はブロードウェイのミュージカルだったもので、映画の主演はミュージカル版の方がそのまま演じているとのこと。

気が弱く、メンタル不調から薬を飲みながら学校に通っている主人公のエヴァン・ハンセン。放課後に通っているカウンセリングの一環で「ディア・エヴァン・ハンセン」と自分に向けた内省的な手紙を書いていたのだが、それを学校の中で浮いた存在のコナーに持っていかれてしまう。コナーは、ちょっとしたことで周囲に当たり散らしたり、ドラッグに手を出したりして、周囲からは距離をおかれていた。そして、コナーはそのまま自ら命を絶ってしまうのだった。遺体のポケットに入っていたエヴァン・ハンセンが書いた手紙を、コナーの両親はコナーがエヴァンにあてて書いたものと勘違いし、コナーとエヴァンが親密な友人関係にあったと勘違いしてしまう。コナーの話を聞かせて欲しいとコナーの両親にお願いされ、気の弱いエヴァンは、コナーの親の気持ちを慰めようと、架空の友情話を話してしまう。そこから、ふたりは友人関係にあったと誤解がどんどん大きくなり、そしてその友情物語はSNSを通じて広く拡散されてしまう。世の中の多くの心に傷を負い、生きづらさを感じている子どもたちが、エヴァンとコナーの友情に共感していき...。という物語。

共感性羞恥の人には見るのはつらいですよという触れ込みでの紹介で、たしかにこのとんでもない嘘がとんでもないところでばれてしまうのでは...という思いがどんどん大きくなり、映画の途中でネットを検索して物語の先の展開を調べてしまった。そういえば昔、妻が推理小説(ミステリー)を読んでいるときに、途中で最後の方の展開を読んでいたのを思い出した。あのときの妻の気持ちはよく分かるなー。