七つの会議 / 池井戸潤

トップセールスマンだったエリート課長を万年係長がパワハラで訴えるところから始まる企業内クライムノベルです。本作でも池井戸節が冴えているので「鉄の骨」とか「空飛ぶタイヤ」が好きな人は本作もきっと気に入るはず。以下、ネタバレ含みます。僕が一番…

ソロモンの偽証 第3部 法廷 / 宮部みゆき

大変ボリューム感のあるストーリーでした。 第1部で描かれた個々のキャラクターの個性が、じわじわと活きてきて、中学生による裁判という現実離れした物語にリアリティを与えていました。 事件の真相は予想通りだったな、と思ったとき、ふと主人公の一人が発…

テルマエ・ロマエV

4巻で、それまでの1話完結形式を捨てて、現代人と古代ギリシャ人の人情エピソードっぽくなって、なんか違和感あるなーと思っていたんだけど、5巻で結構持ち直したというか、これはこれでいいんじゃないか感が出てきた。けど、だんだんと風呂関係なくなってき…

ジョジョリオン 3

東方大弥との戦いに決着がついて、次のスタンドが登場。大弥編、最後あっけなかったけど、かわいいからまあいいかな。 エピソードタイトルに「ボーン・ディス・ウェイ」って書いてあって、CDのジャケットのイメージからバイクの敵キャラのスタンド名だと思っ…

ソロモンの偽証 第2部 決意 / 宮部みゆき

中学生だけで、学校で起きた事件の真相をあばく裁判を開くぞ!というところで終わっていた第1部の続き。 第1部よりもスピード感があり、いよいよ開かれる学校内裁判に向けて盛り上がってきました。 なんとなくこうなるんじゃないかなというストーリーが見え…

ソロモンの偽証 第1部 事件 / 宮部みゆき

宮部みゆきさんの現代ミステリ最新作「ソロモンの偽証」の第1部を読みました。分厚いです。 ひとりの少年が学校の屋上から転落死した事件をめぐり、生徒や教員、父母の間で色々なものがうごめきはじめます。 大津でいじめによる自殺する事件がありましたが、…

ロスジェネの逆襲 / 池井戸潤

「オレバブ」シリーズ(Amazonによるとこう略すらしい)の最新作。 インターネット企業の買収劇がおもしろおかしく描かれています。これを読んでぱっと思い出すのが、ライブドアのフジテレビ買収劇。あの当時はなんとなくしか分からなかったMBOやホワイトナ…

微笑む人 / 貫井徳郎

妻子を殺害し逮捕されたあと、普通では考えられない動機を語った殺人犯・仁藤の素顔を、小説家が取材を進めながら書くという体のノンフィクション風のフィクションでした。 どうもすっきりしない後味が残る結末で、試みとしては悪くないと思いますが、僕がミ…

虚像の道化師 ガリレオ7

ガリレオシリーズの新作。このシリーズ好きなんですが、TVドラマの福山雅治&柴咲コウの印象強すぎて、頭の中にイメージされるのが彼らになってしまい、個人的にはそれがマイナスポイントだったりします。 本作には4つの短編を収録。まだ実用化されていない…

バクマン。 19

エイジとの看板漫画対決から、アニメ化、そしてアズキュンとの交際問題。ジャンプで読んでいるので、ストーリーはわかってるんですが、コミックスでまとめて読むとより盛り上がりますね。 バクマン。もいよいよ次巻で最終巻。最終回のその後の話とか収録され…

バクマン。18

亜城木 vs エイジが盛り上がりましたが、それ以上に青木嬢萌えが良かったです。 バクマン。 18 (ジャンプコミックス)作者: 小畑健,大場つぐみ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/05/02メディア: コミック購入: 4人 クリック: 200回この商品を含むブログ (5…

悪の教典 / 貴志祐介

やばい本だった。貴志祐介の世界観は「黒い家」で懲りていたんだけど、「新世界より」が割とファンタジー色強めで面白かったので油断してました。 序盤から中盤は「模倣犯」的雰囲気で、中盤以降は一気に「バトルロワイヤル」化するという怒涛の展開に圧倒さ…

プリズン・トリック / 遠藤武文

第55回江戸川乱歩賞受賞作。選考委員の東野圭吾さんが絶賛しているとのことだったので、読んでみました。 刑務所の中で発生した密室殺人のトリックと、殺人の動機がポイントで、たしかにそこはなるほどという感じでした。いわゆる最後の一行で話が大きく転換…

ナミヤ雑貨店の奇跡 / 東野圭吾

東野圭吾さんの新作。5章立てになっていて、匿名の御悩み相談を受け付けてくれることで有名になったある雑貨屋さんをめぐる物語が収められています。 「夢をとるか、愛をとるか」「現実をとるか、理想をとるか」みたいな悩みが各章でひとつずつ出てくるので…

PK / 伊坂幸太郎

「連鎖」がキーワードになっている3つの物語。味わいの異なる3編ですが、それぞれの物語の登場人物やストーリーが少しずつリンクしていて、全体でひとつの大きな流れを感じることができます。 特に2つめの物語「超人」は、これひとつだけ膨らましておもしろ…

HUNTER×HUNTER総集編

コンビニで見かけて思わず購入。ハンターハンターがジャンプで連載再開してから気になっていて、最初の頃の話を読みたいなーと思っていたところだったので、ちょうど良いタイミングでした。 HUNTER×HUNTER総集編 Treasure 1 (HUNTER×HUNTER総集編)作者: 冨樫…

歪笑小説 / 東野圭吾

○笑小説シリーズの最新作。シリーズといっても、集英社から出版される短篇集の名前なので、各巻のつながりみたいなのはあまりありません。 本作では、小説出版業界が舞台になっていました。恥も外聞もなく様々な手段を取って人気作家の連載をものにする敏腕…

とめはねっ! 鈴里高校書道部 9

以前に出展した書道大会に再び挑むというのがメインの第9巻。登場人物たちの成長を感じつつも、書道(芸術活動)と賞レースに対するスタンスについて、それぞれの思惑が交錯する面白い内容でした。あと「ビギニング」的に、縁のおばあちゃんが女学生だったこ…

ジョジョリオン 1

ジョジョシリーズ最新作。Part6までは読んでいたのですが、Part7のスティール・ボール・ランはスルーしてました。が、Part8 ジョジョリオンは僕が大好きなPart4で出てきた杜王町が舞台ということで読んでみることに。 冒頭から大震災とか出てきて、3.11の影…

ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~

このマンガがすごい!2012年版の男の子編で1位を取っていたので読んでみました。 編集者やアシスタントへのインタビューをもとに、一時期低迷していた手塚治虫がブラックジャックで見事に復活するあたりのエピソードを描いた漫画です。 Faxがなかった時代に、…

小さなチーム、大きな仕事

Ruby on Railsで有名な37シグナルズのCEOとCTOが書いた「仕事」に関する本。 いわゆる一般的な企業で「当たり前」とされているようなことに疑問を投げかけ、実践を伴ったやり方が収められています。読んでいてワクワクしました。このワクワク感は、その昔「…

銀行総務特命 / 池井戸潤

特命、というとぱっと思いつくのは特命係長・只野仁。あの漫画は、特命係として社内外のトラブルを解決するお話ですが、この小説もまた巨大銀行の内外で発生する様々な問題(顧客名簿の流出から社員のAV出演疑惑まで)に対応する特命係の活躍を描いています…

進撃の巨人 6

4巻、5巻が個人的に少し盛り上がりに欠けていたのですが、6巻はぐっとおもしろくなってました。やばいね、巨人。 進撃の巨人(6) (講談社コミックス)作者: 諫山創出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/09メディア: コミック購入: 15人 クリック: 344回この…

バクマン。 16

亜城木夢叶と新妻エイジのバトルがスゲー盛り上がってました。ライバルっていいね(指)。 バクマン。 16 (ジャンプコミックス)作者: 小畑健,大場つぐみ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/01/04メディア: コミック購入: 3人 クリック: 221回この商品を含…

テルマエ・ロマエ IV

話題の風呂漫画も四巻目。風呂でタイムスリップ→現代日本の風呂へ→日本で体験したことを古代ローマの風呂建築に役立てる、というお決まりのパターンから、話の組み立て方が変わっていました。話の盛り上がりという意味では、前巻までに比べると弱いかなぁと…

ヒストリエ7

アレクサンドロスに隠された秘密とは!?みたいな終わり方をした6巻の発売から1年半。待望の7巻が発売されました。ヒストリエはこの発売ペースがもう少し早くなったら文句ないんですけどね…。 今後の展開に含みを持たせるような部分がちらほらあり、続きが気…

ママはテンパリスト 4

育児マンガの金字塔「ママはテンパリスト」も、とうとう完結。 今回も大いに笑わせていただきました。読みながら普通に「ぷぷっ」と吹き出してしまう漫画は、最近では他にありませんからね。吹き出したあと、妻に「見て見て」と共感を求めることができるのも…

バクマン。15

今回も楽しめました。 バクマン。 15 (ジャンプコミックス)作者: 小畑健,大場つぐみ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/10/04メディア: コミック購入: 6人 クリック: 454回この商品を含むブログ (57件) を見る 逆境をバネに問題を克服するシーンは胸熱でし…

マスカレード・ホテル / 東野圭吾

作家生活25周年記念のとりをかざる「マスカレード・ホテル」を読みました。 本作の完成度もいつもどおり高く、大満足。ホテルが舞台になっていて、ちらほらと登場するホテルにまつわるプチエピソードがなかなか興味深かったです。特に、ブライダル部門にまつ…

進撃の巨人(5)

4巻が個人的にいまひとつでしたが、5巻は少し盛り返してきた感じです。ストーリーの風呂敷がどんどん広がっているので、きれいにたたんでほしいなぁと思っています。 絵が少々雑になってきたような印象もあり、今後の展開が心配です。 進撃の巨人(5) (講談…